障子・ふすまの張替え・修理について

障子・ふすまの張替え・修理について

それではまず、障子とふすまを張り替える際の基礎知識をご紹介いたします。
障子やふすまの張替費用は地域差があり、需要が多い地域ほど費用は低めで、反対に需要が少なくなると費用が高くなる傾向にあります。 尚、ベニヤふすまと段ボールふすまは、見た目には判別がつきませんので、事前にお客様に施工状況の確認をさせて頂くことがございます。
※各下地の劣化具合によっては、施工後はがれる場合があり、当社での責任は負いかねますのでご了承ください。

障子を張り替える費用

※はがれは、施工後1年間保証

障子紙の種類 1枚あたりの費用相場
普通紙 2,500円~
強力紙 3,500円~
こうぞ入り和紙(機械すき) 4,000円~
手すき和紙 5,000円~
プラスチック障子紙 8,000円~

通常のふすまであれば、これくらいの費用が相場になります。スライドできる小窓の付いた雪見障子の場合は、少し手間がかかりますので、プラス1,000円くらいを想定しておきましょう。

障子・ふすまの張替え・修理について

ふすまの種類

◇紙の場合◇ ◇糸の場合◇
・新鳥の子
・上新鳥の子
・本鳥の子
・糸入り
・高級織物

シンプルな機械すき和紙の価格が最も安く、加飾された高級織物のふすまは、2枚開きを両面張り替えると2万円以上かかります。障子やふすまにはそのグレードや素材に合わせて種類分けすることができます。ここでは障子とふすまの種類と、その特徴やメリットについて紹介します。

障子紙の種類

● 高級障子紙
● 普通紙
● 強化紙
● 超強化紙
● プラスチック障子紙

一般的な障子紙の分類はこのように分類されます。高級旅館や料亭などで使われている最高級品は手漉き楮と呼ばれ、手作業で時間をかけて作られるため、他の障子紙にはない風合いが特徴になります。一般の家庭では高級障子紙の一種であるレーヨン障子紙で張替えを行います。強度も高く見た目も美しいうえに価格もそれほど高くないため、よほどのこだわりがなければレーヨン障子での張替えがおすすめです。
とにかく値段を抑えたいという場合は普通紙(パルプ障子紙)がおすすめです。強度もなく、見た目も美しさがあるとは言い難いのですが、価格が安いため失敗を恐れずに張替えができますので、DIYでの利用におすすめです。

この他にポリエステルやビニールを使って破れにくくした強化紙や超強化紙、水拭きできるプラスチック障子紙などがあります。プラスチック障子紙は障子紙にプラスチックを貼り合わせたもので、耐久性も強く水拭きも可能ですので、小さなお子さんやペットのいる家庭に適しています。
ふすま紙は大きく分けて下記の2種類に分類することができ、それぞれにグレード毎に分かれています。高級なものは1枚1万~6万円もするのですが、安価なものですと1枚1,000円程度で購入することができます。

ふすま紙の種類

● 紙:本鳥の子、鳥の子、上新鳥の子、新鳥の子
● 織物:上級織物、中級織物、普及品織物

紙で高級なものは本鳥の子で、きめ細かな模様がとても美しいふすま紙ですが、張り付けるには高い技術が求められます。このため一般的には、上新鳥の子と呼ばれる普及品を利用して張替えを行います。
織物も一般的には普及品織物を使用することが多く、紙よりも強度が高いという特徴があります。上級織物にもなると1枚4万円以上もするものもありますが、普及品織物であれば上新鳥の子のふすま紙と同じくらいの金額で購入できます。
また最近は、お手入れのしやすいビニールふすま紙と呼ばれる商品も売られています。表面がビニールクロスのようになっているため、汚れを簡単に取り除くことができます。ただし、見た目という点では上記の2種類よりは劣りますので、和の雰囲気を大切にしたい場合には適していません。

障子・ふすまを張り替える目安は?

障子・ふすまを張り替える目安は?

障子やふすまは定期的に張り替えたほうがいいというのは分かっていても、そのままでも使えるため長く放置しているという人も多いのではないでしょうか。ここではそんな障子やふすまを張り替える目安をご紹介します。

● 破けたとき
● 障子:2~5年(直射日光の当たり具合による)
● ふすま:5~10年(直射日光の当たり具合による)

これが障子とふすまを張り替えるべきタイミングです。両方に共通しているのは「破けたら張り替える」ということです。ペットを飼っていたり、小さなお子さんがいたりすると破けるたびに張り替えていたら、毎月のように張り替えなくてはいけないというケースを除けば、基本的には破けたら、そのタイミングで張り替えてください。あとは汚れが目立つようになるタイミングで張り替えます。ふすまよりも障子のほうが短いサイクルで張り替えるのは、白くて汚れが目立ちやすいのと、太陽の光に当たるので日焼けをしてしまうためです。そういう意味では、ふすまも日が当たる場所に設置している場合は、10年よりも短いタイミングで張り替えましょう。

障子・ふすまの張替え・修理をDIYで行うときの注意点

障子やふすまの張替えの費用を抑えるのであれば、圧倒的に安い方法として考えられるのが、自分で張り替えを行うことです。最近は自分で簡単に張り替えのできる障子やふすま紙がありますので、仕上がりにこだわり過ぎなければ、手軽かつ格安で張替えを行うことができます。数十年前まではどの家庭でも行なっていたことですので、それほど特別な技術が必要なわけではありません。
ただし、障子の張り替えはそれほど高い技術は不要ですが、ふすまになると話が少し変わってきます。障子を張るだけならそれほど難易度は高くありませんが、引き手を取り外すための工具や取り付けるための釘打ちも必要です。さらに本ふすまの張り替えになると、枠を外す必要があり、とても手間と時間がかかります。
そして、やっぱりプロの仕事と比べると、仕上がりには格段の差があります。きれいにピシッと仕上がった障子やふすまのほうが気持ちいいものです。何度も経験すればDIYでもきれいに仕上げられるようになりますが。障子の張り替えでも5年に1度ですので、次に作業をするときには確実にコツを忘れてしまいます。
DIYがダメだというわけではありませんが、作業する時間も考えると必ずしも低コストで仕上げられるわけではありません。自分で張り替えをする前に、業者に見積依頼だけでもしておくことをおすすめします。ほとんどのケースで、障子もふすまも急いで張り替える必要はありません。費用を確認した上で、DIYで行うかどうかを判断しましょう。
業者に依頼する予算があまりない場合には、障子紙やふすま紙のグレードを下げてみましょう。グレードを下げても決して、みすぼらしいものになるわけではありません。特にふすま紙は、白一色のふすま紙を選べば、部屋もシンプルになり、価格も抑えることが可能になります。

障子・ふすまの張替え・修理を業者に依頼するときのポイント

インターネットで検索すると、障子・ふすまの張替え・修理を格安で行うと宣伝している業者がいくつも出てきます。その中で1枚2千円というような価格を提示している業者もありますが、障子紙の費用や出張費用などを考えると、なぜそのような金額設定にできるのか不思議ですよね。
実際にそのような低価格で張替をしてくれる業者もありますが、一部では客寄せのためだけに安値を提示していることもありますので注意しましょう。「いま格安の障子紙が在庫切れでして」と言って、やや高めの金額での施工を勧めてくるわけです。
このような業者もあるということを頭に入れておいて、あまりにも相場よりも安すぎる業者は選ばないようにしましょう。大事なのは信頼できる業者かどうかということです。見積依頼時の応対などから、ここになら任せられるという業者を選んでください。
もし費用を少しでも抑えたいのであれば、複数の業者に見積り依頼をするようにしましょう。相見積もりの状態にすれば、業者同士が競い合って安値を提示してもらえます。ただし、ここでも安いからという理由だけで選ぶとトラブルにつながる可能性があります。あくまでも信頼できる業者の中から選ぶようにしましょう。

まとめ

和室のある家が減ってきたことから、障子やふすまの取り扱いが分からないという人が増えてきました。昔はどの家でもあたり前のように行っていた張り替えも、やり方が分からずに業者に依頼するのが一般的になりつつあります。
もちろんDIYでも張り替えできますが、ふすまの場合はその難易度がかなり高く、障子でも仕上がりの美しさを考えると、少なくとも来客のある部屋では業者に依頼したいところです。予算があまりないという場合でも、障子紙やふすま紙のグレードによっては、出費を抑えることも可能です。
自分で張り替えをする場合でも、まずは見積依頼をしてどれくらいの価格で作業してもらえるのかを事前に確認しておきましょう。その金額を確認した上で、DIYで張り替えるのか業者に依頼するのかを判断してください。